イス取りゲーム
水谷さんは目に涙を浮かべた。
そして彼女の目は私を捕らえた。
まるで私に助けを
求めているかのようだった。
でも私はあなたを助けないよ?
むしろ遊んであげるんだから。
「幸ちゃーん。
千尋のことガン見してなになに?
あんたレズとか?(爆笑)」
「え、美咲〜!
冗談でもそんなのやめてよ〜!
ブタに好かれるとかいやだよ?」
私がそう答えた途端に
水谷さんの目が一瞬だけ見開かれた。
『この人は私を助けてはくれない』
そう悟ったのだろう。
あ、そうだそうだ!
いいこと思いついちゃった〜♪
水谷さんの筆箱から
ゴギブリのリアルフィギュアを出した。
そして美咲に髪を鷲掴みにされ
身動きしようにもできないような
水谷さんの顔の目の前に
ゴギブリのリアルフィギュアを
近づけた。