きみと恋の話をしよう
現在は、土曜の午前だ。
店内にはちらほらとお客さんがいる。
横から桃子ちゃんが私に話しかけてきた。
「千花ちゃん、ちょっとごめん。私、裏に入る」
「いいけど、どうしたの?」
私が問い返すと、桃子ちゃんはがっくりと肩を落とし答える。
「ひっくり返しちゃったの、しおりの束」
文庫に挟むしおりは、いくつかの段ボールにまとめてある。
どうやら、そのうちひとつを倒してしまったらしい。
「いいよ、私ひとりで見てられるから」
「ありがと、よろしくね」
桃子ちゃんがバックヤードに引っ込むのと入れ違いに、自動ドアが開いた。
きっ来た!
恋愛小説オタクさんだ!
今日も不思議な色のパーカーとリュック。6月なのにニット帽にマスク、黒ぶちメガネ。
店内にはちらほらとお客さんがいる。
横から桃子ちゃんが私に話しかけてきた。
「千花ちゃん、ちょっとごめん。私、裏に入る」
「いいけど、どうしたの?」
私が問い返すと、桃子ちゃんはがっくりと肩を落とし答える。
「ひっくり返しちゃったの、しおりの束」
文庫に挟むしおりは、いくつかの段ボールにまとめてある。
どうやら、そのうちひとつを倒してしまったらしい。
「いいよ、私ひとりで見てられるから」
「ありがと、よろしくね」
桃子ちゃんがバックヤードに引っ込むのと入れ違いに、自動ドアが開いた。
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