きみと恋の話をしよう
「どうしよう」


動揺させてしまった。
私は何も驚かせたかったわけじゃない。

もし佐橋先輩なら、変装しなくても買いに来られる空いた時間をご案内しようと思っただけで。
でも、全然そんな風には取ってもらえなかったみたい。

後の祭りってこういうことを言うのかな。


「千花ちゃん、ごめん。終わったー」


桃子ちゃんがレジに戻ってくる。
私は戸惑いを隠して、品出しに入るためレジを出た。

何事もなく土曜のバイトは終わり、翌日曜にも佐橋先輩は姿を見せなかった。


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