きみと恋の話をしよう





佐橋先輩の後について、隣の棟に移動する。
四階からくだって、生徒会室と準備室は二階にある。

知ってはいるけれど、実際に入るのは初めてだ。

生徒会室からは話し声も聞こえるし、擦りガラス越しに人の影も見えた。
佐橋先輩は横の準備室に入り、まずは生徒会室に通じるドアの前に机を移動させドアを開かなくさせてしまう。

それから、私の後ろにある今入ってきたドアの鍵をがちゃりと内側から締めた。

わー、厳重。

さて、準備ができた佐橋先輩が私を見つめております。


「あの……私のクラスとか名前とか、どうしてわかったんですか?」


「本屋で……、名札をつけてただろう。先輩って言うから学校の後輩だろうし。あとは簡単に見つかる」


それは、先輩からの告白だ。


“あの怪しげな男は俺です”

そういう意味の。
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