きみと恋の話をしよう
「俺のこと脅すつもりか?」


佐橋先輩は怖い顔で私を睨んでいる。


「脅すって……、そんなつもりは……」


「じゃあ、なんで日曜の朝に来いだなんだって言うんだよ!」


声を荒げる佐橋先輩に慌てて訂正を入れる私。


「違います!私、単純に親切心で……いや、おせっかいだったわけですけど……、それでひとりの店番の時間を言いました。佐橋先輩が変装しなくても、恋愛小説を買いに来られるように……」


佐橋先輩が大きく一歩で私に近づき、私の口を手でふさいだ。

もがっと変な声が出てしまう。


「静かに。『恋愛小説』とか……でかい声で言わないでくれ」


佐橋先輩が押し殺した声で言った。

どうやら私は、弁解に必死で声が大きくなっていたみたいだ。
確かにお隣の生徒会室には人がいるみたいだもんね。
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