きみと恋の話をしよう

3.胸がずきん?




日曜の朝、開店はしたものの、まだ店内にお客さんの姿はない。
うーんと、一人で伸びをする。自動ドアが開いた。

そこには、佐橋先輩の姿。
今日は変装していない。学校で見かけるような王子様オーラダダ漏れな佐橋疾風先輩だ。


「いらっしゃいませ」


私が笑顔で声をかけると、佐橋先輩はキョロキョロと辺りを見回す。


「おはよう、深山さん。本当に来ちゃったけど」


「おはようございます。まだ誰もいませんよ。ゆっくり選んでください」


佐橋先輩は、嬉しそうにそそくさと目当てのコーナーへ。
恋愛小説コーナーは奥まっているものの、レジからは見える場所にある。

ジーンズにTシャツ、半袖のシャツを羽織った何気ない私服に特別感を感じた。
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