きみと恋の話をしよう
先輩は昨日私が作ったポップをしげしげ眺め、真剣に選んでいるのが遠目でもわかる。

そして、今日は2冊を手にレジへ。
彼が選んだのはオフィスラブ1冊、ケータイ小説発の青春恋愛モノ1冊。


「深山さんがあのポップ作ったの?」


「はい……といっても、オススメっていうほどたくさん読んでないので。私が読んだ中でのオススメですけど」


手早くカバーをかけながら答える。


「いや、いいセンスしてるよ。俺もあれ好き」


「ホントですか?」


「うん、趣味が合うのかな。良ければ今度、俺のオススメを貸すよ。全部買って読んでたらバイト代無くなっちゃうだろ?」


趣味が合うなんて嬉しいことをさらりと言われてしまった。
『ハヤテファン』ならずとも、佐橋先輩ににこりと微笑まれたら、胸は騒ぐ。
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