きみと恋の話をしよう
「いえ、全然行けます。いいんですか?学校で受け渡ししたらリスクありませんか?」


「貸すとなったら、俺のオススメを早く読んでほしいし。一冊なら今週中で読めるだろ?そうしたら、来週のこの時間、内容を語れるじゃないか」


当たり前のように言う佐橋先輩に、思わず頬を緩めてしまう。

この人、本が好きなんだ。
面白い本を早く読んでほしいって、すごく気持ちがわかるもん。

一緒にその話をしたいって、私だってそう思う。
小説談義の相手に選んでもらえてうれしいな。

ちょうど、その時、自動ドアが開き、小学生男子とお母さんという組み合わせのお客さんが入ってきた。


「それじゃ、深山さん。また明日ね」
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