きみと恋の話をしよう





普段なら憂鬱だったりする月曜日が、今日は違った。

早々に仕度を済ませ、まだ食事中の父と弟の横をすり抜けて自宅を出発。

母には「生徒会の手伝い」と言ってある。
ある意味、嘘じゃない……わけでもないか。

学校までは徒歩15分ほどの道のりだ。
普段はのんびり歩く道だけど、今日はなんだかサクサクと速足で進んでしまう。

佐橋先輩がどんな本を貸してくれるのか楽しみなのかもしれない。

ううん、佐橋先輩に会うこと自体も楽しみ。

昨日会ったばかりだけど、また少し本の話なんかする時間はあるかな。
引き止めたら悪いかな。

教室には向かわず、まっすぐ生徒会準備室を目指す。
< 38 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop