きみと恋の話をしよう
「安心した。きっと深山さんなら満足してくれると思う。希望を感じさせるラストなんだ」


「あー、それ以上、言っちゃ駄目です。ネタバレです」


「ごめんごめん」


佐橋先輩が無邪気に笑う。

早く読みたくなってきた。
佐橋先輩の好きなジャンルで、さらに一押しで面白いなんて楽しみすぎる。

読んだら佐橋先輩と内容を語り合いたい。
もちろん、それは日曜までお預けなわけだけど。


「お返ししなきゃですよね」


「いいよ、お返しなんて。こっちは好きな本を押し付けてるだけ」


「じゃあ、私も趣味を押し付けます。青春系の小説とかどうですか?」


「深山さんのオススメなら読んでみたい。もともと、本は好きだからね」


私のオススメならかぁ。
やっぱり、この人、罪深い。

無意識にそういうサービスな発言をされたら、私みたいな恋愛経験ゼロ女子だって意識しちゃいますよ。

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