きみと恋の話をしよう
そして、ふと考える。
桃子ちゃんには言っていないけれど、私はあの人を見てると変な感じがする。
ここ何度かの遭遇で、妙な違和感を覚えていたりする。
知っている人かって言われたらわからない。
ダサい格好と帽子とマスクに隠されて、顔も髪型も見えないし。
だけど、目がね。
メガネの奥に目だけは見えるんだよ。
あの目、どこかで見たことがあるような気がするなぁ。
焦げ茶の虹彩、くっきりとした二重。
いつも伏目がちだからまつげが長いのも知ってる。
「千花ちゃん、レジお願い!」
顔を上げると、桃子ちゃんはご年配のご婦人に園芸雑誌のことを聞かれていて、レジの前には漫画本を積み上げた女性のお客さんがいた。
「いらっしゃいませ」
私は分厚い漫画雑誌を手に取り、バーコードリーダーを近づけた。
桃子ちゃんには言っていないけれど、私はあの人を見てると変な感じがする。
ここ何度かの遭遇で、妙な違和感を覚えていたりする。
知っている人かって言われたらわからない。
ダサい格好と帽子とマスクに隠されて、顔も髪型も見えないし。
だけど、目がね。
メガネの奥に目だけは見えるんだよ。
あの目、どこかで見たことがあるような気がするなぁ。
焦げ茶の虹彩、くっきりとした二重。
いつも伏目がちだからまつげが長いのも知ってる。
「千花ちゃん、レジお願い!」
顔を上げると、桃子ちゃんはご年配のご婦人に園芸雑誌のことを聞かれていて、レジの前には漫画本を積み上げた女性のお客さんがいた。
「いらっしゃいませ」
私は分厚い漫画雑誌を手に取り、バーコードリーダーを近づけた。