きみと恋の話をしよう





紀尾井屋書店は私の伯父が経営している町の本屋さん。

私、深山千花(みやまちか)は高校入学して間もなく、ここでアルバイトをしている。

勤務歴まだ2ヶ月。
でも、小さい頃から入り浸っているし、お手伝いもしてるから、勝手知ったるって感じの職場です。

他の店員は従兄姉の桃子ちゃんと康介兄ちゃん、昼間の女性パートさんが二人。
人が足りない時は店長の伯父さんも出てきて手伝っている。

お隣の市の駅ビルにも1店舗あって、伯父さんはふざけて「千花ちゃん、将来そっちを継いでよ~」なんて言うけれど、今のところ私の将来は未定。

本は好きだし、関係の仕事に就きたいとは思う。
出版社の編集者さんとか、図書館の司書さん。
全国展開するような大書店で、『深山千花店員オススメ!』なんてコーナーを作らせて貰えちゃうカリスマ店員とか……。

まだまだふんわりした想像の段階だけど。
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