きみと恋の話をしよう
もしかして……佐橋先輩は後輩の女子と出掛けるとか……お姉さんたちに言ったのかな。
サービス券なんかもらってるし、きっとフツーに言ったんだろうな。

それで、お姉さんたちは彼女だ、デートだと勘違いして……。

ああ、佐橋先輩の天然っぷりとお姉さんたちの誤解!
いたたまれない!


「学生ですし!ワリカンにしましょう!私、気ぃ遣いなもんで、わざと安いもの頼んじゃうタイプなんです」


「自分で気ぃ遣いとか言うし。……昼食はわかったからさ。せめて、アイスクリームくらいはおごらせてくれない?」

キラキラの王子様スマイルで覗き込まれたら、抗う気がひゅるひゅるとしぼむ。

可愛い笑顔、反則。

私は渋々頷いた。
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