きみと恋の話をしよう
「千花の頼みなら、私は聞くしかないけどさ。でも、もしかしたらうちのガッコの誰かに見られてたかもよ。佐橋先輩目立つし、彼女がいるなんて噂もないし、千花といるところなんか見られたら学内スキャンダルだよ」


さーっと血の気が引いた。

そうだよね。
よくよく考えてみたら、ポートマートKは近隣ではかなり大きな商業施設だ。
公共交通機関を使えば遠いけれど、車ならここからだって30分少々。
家族と休日に訪れ、私たちを目にした生徒がいる可能性はある。

私が『ハヤテファン』の女子にやっかまれるのはまだいい。
嫌だけど、我慢できる。

それより、佐橋先輩に迷惑がかかるのが嫌。
変な噂をたてられて、『うわ、気まぐれであんな子とでかけるんじゃなかった』なんて後悔&煙たがられたら悲しくて死んじゃうかもしれない。

どうしよう、どうしよう。
佐橋先輩と善後策の協議をした方がいい気がしてきた。

もしもの時は口裏合わせて否定しましょうねって。
他人の空似or従兄妹とかって設定にしましょうねって。
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