きみと恋の話をしよう
「深山さんの相談って?」


「あ、先輩からお先におっしゃってください」


このどんよりした空気。
明らかに先輩の方が重たい相談を持ってそうだもん。

先輩はしばし黙った。

なんだろう、この間。

私は黙って、長机を挟んでパイプ椅子に座る。
顔を覗き込みながら、彼からの言葉を待った。


「あのさ……深山さん。俺、これから変なことを言うけど……」


「はい、なんでしょうか」


私は意気込んで先輩を見つめる。

すると、佐橋先輩ががばっと顔を上げた。
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