きみと恋の話をしよう
「俺とキスとか……できる?」


空耳?

なんかぶっ飛んだ質問がきた気がするなぁ。
私の耳、絶不調。

私がぽかん顔をしていたせいだろう。
真っ赤になった佐橋先輩が焦りまくった口調で訂正してくる。


「ごめん、冗談でもまずいよね。本当に変なこと言ってごめん。忘れて!」


「いえ、……あの……キスというのは……」


「ああああ、本当に忘れて!深山さん!」


佐橋先輩が頭を抱えて長机に突っ伏した。

頭からぷすぷす煙が出そうだ。
完全にショートしてしまってるみたい。

可愛い……けど、それは今絶対言っちゃいけない言葉だろうな。

空気を読んで、しばらく次の言葉を待つ。


「……早速さ、ネットで短編小説の公募を見つけたんだ」


佐橋先輩はまだ突っ伏した姿勢でぼそぼそと言う。
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