きみと恋の話をしよう
「好きなもの、全部全部封印して死ぬ気でやったからね。当然の結果!」


威張って見せる佐橋先輩は、何も変わらず私の大好きな先輩。
眩しい笑顔も、キラキラなオーラも。

どうしよう、嬉しくて苦しい。
胸の奥にしまい込んだ恋心が容易に芽吹いてしまいそう。


「文学部国文学科なんだけどさ、四年間で古典も近現代小説も読めるだけ読み込もうと思うんだ。勉強して、いろんな考え方に触れて、それでも俺が恋愛小説を書きたいって思ったら、親を説得してでも書くつもり」


「はい……、応援してます。ずっと、私は先輩のこと応援し続けます」


やばいなぁ。涙が出ちゃいそう。
嬉しいのと切ないのが胸の中でミックスされて、痛いほどだ。

泣かないように、わざと笑って私は言った。


「先輩、私、この5ヶ月でたくさん恋愛小説を読みましたよ」


「そうなんだ。それって俺の影響?」
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