先生とあたし
第1章
『奈南って、キス以上のこと、させてくんないんだ?』
ー悪い?
『人の告白にホイホイのってきたのに、それはねぇよ』
ーそれは、なんか酷い。
「あーおーしーまー!」
「………なんですか?」
「お前、寝てないで、真面目にノート写せ」
別に、写さなくてもいいじゃん。
あたし、成績優秀なんだから。
けれど、写しておかないと、別室というかたちになってしまうから、写しておこう。
あたしは、自分だけが読めるくらいの字で黒板に書いてある文章を写した。
ふと、ノートを写してる時に、廊下に目がいった。
廊下には、新米……今年から新任教師として入ってきた森岡先生がいた。