不倫のルール
ゲンさんは、胸もお尻も大きなグラマラスでセクシーな女の人がお好みだそうで……

そうなんだ……全然知らなかった……

ゲンさんと、セクシーな大人の女の人……
にっ、似合いすぎるっ!

私は俯いて、チラッと自分の姿を見る。

……胸は、特別小さいわけでは、ないはず。お尻は、ちょっと小ぶりだけど……確かに“グラマラス”とか“セクシー”という形容詞は、私には当てはまらない。

まだ十代で、見た目も“お子さま”の私は、ゲンさんのターゲットにはならない……と、祥子さん達に判断されたようだ。

「ゲンさんの“女好き”は、祥子さん達が思っている以上に見境がないようです」

心の中で、自嘲気味に呟いた。次から次へと、いろんな事実を知らされて、もう泣きたいのか、笑いたいのかさえわからない。

「今回も、お店の女の子何人かに手を出してて、それが秀子さんにバレて……」

ここで、やっと気が付いた。私の事は、どうなんだろう……?祥子さんの話だと、浮気相手は、お店をクビになるらしい。何も言われていないという事は、大丈夫だったのだろうか……?

「さすがの秀子さんも、堪忍袋の緒が切れたってヤツ?ゲンさんは自宅に軟禁状態で、相手の女の子達も、すぐにクビになったって」

私の事は、とりあえずバレてないみたい……

なんとなく怖くなって、私は両手を握りしめた。

短大の友達二人と、小学校や高校からの親友二人。ゲンさんと付き合っている事を話しているのは、その四人だけ。それも、普通の“彼氏”として……

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