思い出約束
そっと、俊くんの手から離れる。


「春花…」


離れる瞬間、小さな声で
私に言った。



………。


「神崎?」


ボートしていた私に、向かいになった男の子が不思議そうに見てくる。


「あっごめんっなんでもない。」



さっき、離れるときに、言われた…。




『9時にまたここに来てくれ』


私は…ただ立ってることしかできなかった。


< 15 / 119 >

この作品をシェア

pagetop