思い出約束
ドアを見たら、勢いよく開けたせいで、ドアの木の部分が壊れてしまった。


「ご、ごめんなさい…」


そっと顔をあげると、俊くんは笑っていた。


「なぁ、お前の名前って何だ?」


「あ…」



いくら記憶喪失だとわかっていても、心が痛む。


「私、春花っ
…よろしくね。」


「あぁ。」



それだけ言ってまた、本を読み初めた。

何読んでるんだろ〜?


そっと覗くと、

『人生いろいろ、恋もいろいろ』


と書いていた。


「俊くんってこんなの好きなの?」


「いや…未來に、俺が記憶喪失になるまえ、どんなが好きだったのか、教えくれって頼んだんだ。」


…ズキ


「ほら、なんか思い出せるかも知れないだろ!」


涙が溢れ出しそうになった。
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