オオカミくんと子ブタちゃん
*****
コンコン、パカ、ジュー……
私は眠れないまま朝を迎え、大賀見…いや、オオカミの朝食とお弁当を準備している。
「はぁ….、なんであんな事したんだろ?大賀見のヤツ」
ため息を吐きながらフライパンに蓋をする。
そういえば、昨日、変な人に絡まれてから機嫌が悪かったような…
あの時に迷惑をかけてしまったから怒ってんの?
滝沢くんとご飯を食べる事になってからも機嫌が悪かったよね?
う 〜ん…
あっ、そうか!
それで憂さ晴らしに私をからかって遊んだのねっ。
………………………………。
はぁ…
ファーストキス…………だったのに
初めては好きな人とって思ってたのに…
…………………………………………。
「なに、一人で百面相してんだ?」
「う、うわぁーーっ!」
知らないうちに大賀見が真後ろに立っていて、私の肩に顎を乗せフライパンを覗き込んでいた。
「朝から、うるせぇな奴だなぁ。そんなビックリすることじゃねーだろ。」
「ビ、ビ、ビックリするわよっ///急に現れないでよねっ!」
ダ、ダメだっ!
昨日の事を思い出したら平常心ではいられないっ///
「は?…アホらし。」
「き、昨日の事だってっ、私は許してないからねっ‼︎」
「昨日のことって?」
大賀見はクルッと私を180度回転させ、両肩に腕を置き私の後頭部辺りで手を組んだ。
「なに?言ってみろよ。」
ニッコリと微笑む大賀見…
相変わらずのイケメン///
大賀見の唇に自然と視線がいってしまう私///
「キ…キ…キ…///って言うわけないでしょっ‼︎バカッ‼︎」
「プププ……お前、オモシロすぎっ。」
大賀見は「あー腹いてぇ」とお腹を押さえ、爆笑しながらキッチンを出て行った。
ま、またっ!からかわれた⁈
なんで、あんなに普通でいられるの?
大賀見にとってはどうでもいい事だったの?
プス…プス…プス…
ん?なんの音?
なんか…焦げ臭い⁇
「あーーっっ‼︎目玉焼きがーーっっ‼︎」
慌てて火を消しアタフタとしていると、リビングからは普段の大賀見からは想像出来ないほどの、大きな笑い声が聞こえてきた。
ま、またっ、笑われたーーーーっ‼︎
二人で朝食をとったあと、私はキッチンの片付けを終え、身支度を整えてから家を出る。
大賀見とは、もちろん別々に家を出る。
だって、同居の事がバレたら、学校の女子全員を敵に回すと言っても過言ではないからね。
いつものスーパーを過ぎ、公園の前を通って学校へと着いた。
今朝はドキドキしながら、そっと靴箱を開ける。
買ったばかりなんだから、もうやめて下さいよ…。
「………あった。」
私はホッと胸を撫で下ろす。
よかった…今日はちゃんとスリッパが靴箱にあった。
さすがに幼稚な茉莉花ちゃんも、同じ手は使わないか。
私は無事だった新しいスリッパに履き替えて教室に向かう。
「おっはよー、葵ちゃーん。」
急に後ろから誰かに抱きつかれ、私は咄嗟に鞄で叩いた。
「いったー。葵ちゃんヒドイよー。」
鞄が当たった脇腹を摩っているこの人は…え〜と…誰だっけ?
「あーっ、俺の名前わすれてるでしょー。白咲 翔だよぉ。」
マジ忘れてた…。
「おはよう、白咲くん。」
「翔って呼んでね。葵ちゃん。」
「え…と、呼ばない…かな?」
正直、白咲くんは軽い感じだから苦手なんだよね。
「そぉよっ!呼ばないし、葵の事も名前で呼ばないでよねっ。」
優衣が教室から出てきて、私をぎゅっと抱きしめながら言った。
「えーっ、優衣ちゃんヒドイー。俺に冷たくなーい?」
「うるせぇ…。入り口でゴチャゴチャすんな。邪魔なんだよ。」
あ、大賀見…
優衣が言ったのかと思って一瞬ビックリしちゃったよ。
「あっ、春斗くーん。おはよー。」
ピョンッとニコニコとご機嫌な様子で、大賀見の肩に手を乗せる白咲くん。
大賀見のこと…春斗くんって名前で呼ぶなんて、怖いもの知らずだなぁ。
バシッ‼︎
ほら、やっぱり大賀見に叩かれちゃったよ。
「お前、マジ、うぜぇ。」
大賀見は白咲くんを振り払ってから自分の席に座るが、その後を白咲くんが懲りずにトコトコと付いて行き、そこでまたバトルが繰り広げられる。
「あはは…白咲くんって、面白い人だったんだね。」
教室のドア付近で優衣とその光景を見て笑っていると
「二人とも楽しそうだね。」
今日もキラキラスマイルの王子様が、黄色い声と共にやって来た。
「おはよぉ、滝沢くん。」
優衣が笑顔で答えると、それを見ていた滝沢くん以外の男子がメロメロになっている。
「お、おはようっ!滝沢くんっ!」
私も挨拶をしたが、昨日キッチンであった事を思い出してしまい、思わず声が裏返った。
「おはよ、小辺田さん。」
クスクスと笑いながら挨拶をされた。
恥ずかしい…///
仕方ないよねっ。
こんな王子様の様な人に、後ろからぎゅっと抱きしめられたら、誰だっておかしくなっちゃうよねっ///
「ところで、ハルに懐いてる彼は何?」
「あぁ、あれは白咲くんっていって、今度のオリエンテーションで同じ班になったんだぁ。」
優衣が胸の前で腕を組み、白咲くんを残念そうな顔で見ながら答えた。
「へぇ…。彼、さっき小辺田さんに抱きついてなかった?」
た、滝沢くんの目が冷たく見えるのは私だけでしょうか⁇
「あれはっ、抱きつくというか…じゃれてるというか…。」
なんだろ?
白咲くんは、よく触れてくるけど…
好意を持たれてるって感覚ではないんだよね?
私を恋愛対象として見てないというか…
何かよくわからないけど、そんな感じがするんだよね。
「気安く触らないで欲しいよね…。」
「え?」
「ううん、なんでもないよ。僕もハルに挨拶して来ようかな。」
そう言って滝沢くんは、大賀見と白咲くんのバトルの場へ入っていった。
コンコン、パカ、ジュー……
私は眠れないまま朝を迎え、大賀見…いや、オオカミの朝食とお弁当を準備している。
「はぁ….、なんであんな事したんだろ?大賀見のヤツ」
ため息を吐きながらフライパンに蓋をする。
そういえば、昨日、変な人に絡まれてから機嫌が悪かったような…
あの時に迷惑をかけてしまったから怒ってんの?
滝沢くんとご飯を食べる事になってからも機嫌が悪かったよね?
う 〜ん…
あっ、そうか!
それで憂さ晴らしに私をからかって遊んだのねっ。
………………………………。
はぁ…
ファーストキス…………だったのに
初めては好きな人とって思ってたのに…
…………………………………………。
「なに、一人で百面相してんだ?」
「う、うわぁーーっ!」
知らないうちに大賀見が真後ろに立っていて、私の肩に顎を乗せフライパンを覗き込んでいた。
「朝から、うるせぇな奴だなぁ。そんなビックリすることじゃねーだろ。」
「ビ、ビ、ビックリするわよっ///急に現れないでよねっ!」
ダ、ダメだっ!
昨日の事を思い出したら平常心ではいられないっ///
「は?…アホらし。」
「き、昨日の事だってっ、私は許してないからねっ‼︎」
「昨日のことって?」
大賀見はクルッと私を180度回転させ、両肩に腕を置き私の後頭部辺りで手を組んだ。
「なに?言ってみろよ。」
ニッコリと微笑む大賀見…
相変わらずのイケメン///
大賀見の唇に自然と視線がいってしまう私///
「キ…キ…キ…///って言うわけないでしょっ‼︎バカッ‼︎」
「プププ……お前、オモシロすぎっ。」
大賀見は「あー腹いてぇ」とお腹を押さえ、爆笑しながらキッチンを出て行った。
ま、またっ!からかわれた⁈
なんで、あんなに普通でいられるの?
大賀見にとってはどうでもいい事だったの?
プス…プス…プス…
ん?なんの音?
なんか…焦げ臭い⁇
「あーーっっ‼︎目玉焼きがーーっっ‼︎」
慌てて火を消しアタフタとしていると、リビングからは普段の大賀見からは想像出来ないほどの、大きな笑い声が聞こえてきた。
ま、またっ、笑われたーーーーっ‼︎
二人で朝食をとったあと、私はキッチンの片付けを終え、身支度を整えてから家を出る。
大賀見とは、もちろん別々に家を出る。
だって、同居の事がバレたら、学校の女子全員を敵に回すと言っても過言ではないからね。
いつものスーパーを過ぎ、公園の前を通って学校へと着いた。
今朝はドキドキしながら、そっと靴箱を開ける。
買ったばかりなんだから、もうやめて下さいよ…。
「………あった。」
私はホッと胸を撫で下ろす。
よかった…今日はちゃんとスリッパが靴箱にあった。
さすがに幼稚な茉莉花ちゃんも、同じ手は使わないか。
私は無事だった新しいスリッパに履き替えて教室に向かう。
「おっはよー、葵ちゃーん。」
急に後ろから誰かに抱きつかれ、私は咄嗟に鞄で叩いた。
「いったー。葵ちゃんヒドイよー。」
鞄が当たった脇腹を摩っているこの人は…え〜と…誰だっけ?
「あーっ、俺の名前わすれてるでしょー。白咲 翔だよぉ。」
マジ忘れてた…。
「おはよう、白咲くん。」
「翔って呼んでね。葵ちゃん。」
「え…と、呼ばない…かな?」
正直、白咲くんは軽い感じだから苦手なんだよね。
「そぉよっ!呼ばないし、葵の事も名前で呼ばないでよねっ。」
優衣が教室から出てきて、私をぎゅっと抱きしめながら言った。
「えーっ、優衣ちゃんヒドイー。俺に冷たくなーい?」
「うるせぇ…。入り口でゴチャゴチャすんな。邪魔なんだよ。」
あ、大賀見…
優衣が言ったのかと思って一瞬ビックリしちゃったよ。
「あっ、春斗くーん。おはよー。」
ピョンッとニコニコとご機嫌な様子で、大賀見の肩に手を乗せる白咲くん。
大賀見のこと…春斗くんって名前で呼ぶなんて、怖いもの知らずだなぁ。
バシッ‼︎
ほら、やっぱり大賀見に叩かれちゃったよ。
「お前、マジ、うぜぇ。」
大賀見は白咲くんを振り払ってから自分の席に座るが、その後を白咲くんが懲りずにトコトコと付いて行き、そこでまたバトルが繰り広げられる。
「あはは…白咲くんって、面白い人だったんだね。」
教室のドア付近で優衣とその光景を見て笑っていると
「二人とも楽しそうだね。」
今日もキラキラスマイルの王子様が、黄色い声と共にやって来た。
「おはよぉ、滝沢くん。」
優衣が笑顔で答えると、それを見ていた滝沢くん以外の男子がメロメロになっている。
「お、おはようっ!滝沢くんっ!」
私も挨拶をしたが、昨日キッチンであった事を思い出してしまい、思わず声が裏返った。
「おはよ、小辺田さん。」
クスクスと笑いながら挨拶をされた。
恥ずかしい…///
仕方ないよねっ。
こんな王子様の様な人に、後ろからぎゅっと抱きしめられたら、誰だっておかしくなっちゃうよねっ///
「ところで、ハルに懐いてる彼は何?」
「あぁ、あれは白咲くんっていって、今度のオリエンテーションで同じ班になったんだぁ。」
優衣が胸の前で腕を組み、白咲くんを残念そうな顔で見ながら答えた。
「へぇ…。彼、さっき小辺田さんに抱きついてなかった?」
た、滝沢くんの目が冷たく見えるのは私だけでしょうか⁇
「あれはっ、抱きつくというか…じゃれてるというか…。」
なんだろ?
白咲くんは、よく触れてくるけど…
好意を持たれてるって感覚ではないんだよね?
私を恋愛対象として見てないというか…
何かよくわからないけど、そんな感じがするんだよね。
「気安く触らないで欲しいよね…。」
「え?」
「ううん、なんでもないよ。僕もハルに挨拶して来ようかな。」
そう言って滝沢くんは、大賀見と白咲くんのバトルの場へ入っていった。