オオカミくんと子ブタちゃん
*****
今日は快晴で、お昼休みともなると屋上は少し暑いくらいだった。
「今日はお昼休み二人だけだね。」
私は滝沢くんと二人っきりでお昼ご飯を食べていた。
いつもはもっと賑やかなお昼休みなのに…
はぁ…と無意識に溜め息が出た。
優衣とは今日も全く話ししていないし、目も合わせてもらってない。
…白咲くんも同じ。
白咲くんとは、さすがにまだ話す気にもなれないけど。
私がお弁当箱をじっと見つめ考え事をしていると
「ハルは弁当も食べないで、どこに行ったんだろうね?」
滝沢くんが今日もパンをかじりながら言った。
そう、今日は大賀見もなぜか屋上に来ていない。
朝早く家を出てたし、授業中はなんだか難しい顔で考え事をしてるみたいだった。
私にちょっかいもかけてこないし…
大賀見はチャイムが鳴ってすぐに教室を出て行ったから、何か飲み物でも買いに行ったのかな?なんて思ってたけど…そうじゃなかったみたい。
何かあったのかな?
ーーーーーーーーーー
……それにしても、滝沢くんと二人っきりのこの状況って緊張する。
なかなか滝沢くんと二人っきりになることなんてないから、これは言えってことなのかな?
自分の気持ちに気付いたんだから
この前の告白の返事……しなきゃね?
「あの…滝沢くん。」
私はお箸を置いて、スゥと深呼吸してから滝沢くんに話しかけた。
「なに?」
滝沢くんはニッコリと優しく微笑み、私に視線を向ける。
「こ、この前の事なんだけど…。」
「僕が小辺田さんを好きだと言ったこと?」
「…う、うん///」
そうハッキリと言われると、なんだか恥ずかしいんだけど…
「あの…私…………、他に好きな人がいるのっ/// だから、ごめんなさいっ。」
私はペコリと勢いよく頭を下げ床を見つめた。
「顔をあげてよ。」
そう言って、滝沢くんは私の両肩に手を当て体を起こす。
そっと私の顔を上げさせると、真っ直ぐな視線を向けてきた。
「ねぇ、それって…ハルのこと?」
形のいい唇から発せられた名前に、ドクンッと心臓が波打つ。
「…………。」
私は正直にコクン…と縦に頭を振った。
「…そっかぁーっ。やっぱりなー。」
滝沢くんは両手を床について上を向き、空に向かって叫んだ。
眩しそうに青空を見上げる滝沢くん。
艶やかな黒髪がより綺麗に見え、いつもよりキラキラ度が増している。
こんな完璧な人を振るなんて、私ってばどうかしちゃってるよね?
ーーーってか、さっき滝沢くん「やっぱり」って言った?
「もしかして…バレてた?」
無意識に言葉にしてしまって、慌てて口を抑える。
「僕はずっと小辺田さんのこと見てたから、視線がどこに向いてるのか、わかっちゃうんだよね。」
ニッコリと笑いながら言った滝沢くんの頬には笑くぼが出ていた。
「また、そんな甘い言葉をサラッと言っちゃうんだから…///」
初めて出会った日に見たこの笑顔に、私は心を奪われたのかも知れない。
あと、パパと同じ仕草にも…
滝沢くんは私の初恋の人だったんだよね。
いつもドキドキしてた。
なのに…いつの間にか大賀見のことを好きになってて。
「僕がもう少し早くに告白してたら、なにか違ってたかな?」
滝沢くんから笑顔が消えて真剣な目で私を見つめる。
「えっ?」
「ううん、なんでもないよ。」
またすぐにキラキラの笑顔に戻ったので、私は少しホッとした。
カシャン…
滝沢くんは「よいしょ」と言って立ち上がりフェンスにもたれ下を見る。
「あ…。ハル発見。」
フェンス越しに下を覗いた滝沢くんがボソッと呟いた。
え?大賀見?
私も立ち上がりフェンス越しに下を覗いてみる。
確かに大賀見の姿がそこにはあったのだけど………
「……え?一緒にいるのって、優衣?」
なぜか大賀見と優衣が二人っきりで、人気のない体育館裏で会っていた。
「どうして…優衣と一緒にいるの?」
どう考えても異色の組み合わせな二人なのに。
「ちょっと待って、なんかハルの様子がおかしい。」
「え?」
「いつものような落ち着きがないように見える。とにかく、僕たちも体育館裏に行こうっ!」
「うんっ!」
私達は急いで階段を下り、二人のいる体育館裏へと向かった。
今日は快晴で、お昼休みともなると屋上は少し暑いくらいだった。
「今日はお昼休み二人だけだね。」
私は滝沢くんと二人っきりでお昼ご飯を食べていた。
いつもはもっと賑やかなお昼休みなのに…
はぁ…と無意識に溜め息が出た。
優衣とは今日も全く話ししていないし、目も合わせてもらってない。
…白咲くんも同じ。
白咲くんとは、さすがにまだ話す気にもなれないけど。
私がお弁当箱をじっと見つめ考え事をしていると
「ハルは弁当も食べないで、どこに行ったんだろうね?」
滝沢くんが今日もパンをかじりながら言った。
そう、今日は大賀見もなぜか屋上に来ていない。
朝早く家を出てたし、授業中はなんだか難しい顔で考え事をしてるみたいだった。
私にちょっかいもかけてこないし…
大賀見はチャイムが鳴ってすぐに教室を出て行ったから、何か飲み物でも買いに行ったのかな?なんて思ってたけど…そうじゃなかったみたい。
何かあったのかな?
ーーーーーーーーーー
……それにしても、滝沢くんと二人っきりのこの状況って緊張する。
なかなか滝沢くんと二人っきりになることなんてないから、これは言えってことなのかな?
自分の気持ちに気付いたんだから
この前の告白の返事……しなきゃね?
「あの…滝沢くん。」
私はお箸を置いて、スゥと深呼吸してから滝沢くんに話しかけた。
「なに?」
滝沢くんはニッコリと優しく微笑み、私に視線を向ける。
「こ、この前の事なんだけど…。」
「僕が小辺田さんを好きだと言ったこと?」
「…う、うん///」
そうハッキリと言われると、なんだか恥ずかしいんだけど…
「あの…私…………、他に好きな人がいるのっ/// だから、ごめんなさいっ。」
私はペコリと勢いよく頭を下げ床を見つめた。
「顔をあげてよ。」
そう言って、滝沢くんは私の両肩に手を当て体を起こす。
そっと私の顔を上げさせると、真っ直ぐな視線を向けてきた。
「ねぇ、それって…ハルのこと?」
形のいい唇から発せられた名前に、ドクンッと心臓が波打つ。
「…………。」
私は正直にコクン…と縦に頭を振った。
「…そっかぁーっ。やっぱりなー。」
滝沢くんは両手を床について上を向き、空に向かって叫んだ。
眩しそうに青空を見上げる滝沢くん。
艶やかな黒髪がより綺麗に見え、いつもよりキラキラ度が増している。
こんな完璧な人を振るなんて、私ってばどうかしちゃってるよね?
ーーーってか、さっき滝沢くん「やっぱり」って言った?
「もしかして…バレてた?」
無意識に言葉にしてしまって、慌てて口を抑える。
「僕はずっと小辺田さんのこと見てたから、視線がどこに向いてるのか、わかっちゃうんだよね。」
ニッコリと笑いながら言った滝沢くんの頬には笑くぼが出ていた。
「また、そんな甘い言葉をサラッと言っちゃうんだから…///」
初めて出会った日に見たこの笑顔に、私は心を奪われたのかも知れない。
あと、パパと同じ仕草にも…
滝沢くんは私の初恋の人だったんだよね。
いつもドキドキしてた。
なのに…いつの間にか大賀見のことを好きになってて。
「僕がもう少し早くに告白してたら、なにか違ってたかな?」
滝沢くんから笑顔が消えて真剣な目で私を見つめる。
「えっ?」
「ううん、なんでもないよ。」
またすぐにキラキラの笑顔に戻ったので、私は少しホッとした。
カシャン…
滝沢くんは「よいしょ」と言って立ち上がりフェンスにもたれ下を見る。
「あ…。ハル発見。」
フェンス越しに下を覗いた滝沢くんがボソッと呟いた。
え?大賀見?
私も立ち上がりフェンス越しに下を覗いてみる。
確かに大賀見の姿がそこにはあったのだけど………
「……え?一緒にいるのって、優衣?」
なぜか大賀見と優衣が二人っきりで、人気のない体育館裏で会っていた。
「どうして…優衣と一緒にいるの?」
どう考えても異色の組み合わせな二人なのに。
「ちょっと待って、なんかハルの様子がおかしい。」
「え?」
「いつものような落ち着きがないように見える。とにかく、僕たちも体育館裏に行こうっ!」
「うんっ!」
私達は急いで階段を下り、二人のいる体育館裏へと向かった。