オオカミくんと子ブタちゃん
*****
今日は朝から雨が降っていた。
私の心と同じ…
「お前…涼介に大事にしてもらえよ。」
昨日の言葉が頭の中でリフレインする。
どうして…あんな事を言ったの?
私の気持ちはどうなるの?
優しくするだけして………
私の心に入り込んできたくせに、急に突き放すようなこと言わないでよ。
こんなに好きにさせといて酷いよ…。
トボトボと元気なく教室まで向かう足取りはとても重い。
ガラ……
教室のドアを開けると優衣の笑顔が一番に目に入った。
「おはよっ、葵。」
いつもの優衣だ…。
「おはよ…ぅ…。」
優衣の笑顔に気が緩みポロリと涙が零れた。
「えっ、えっ⁈葵っどうしたの??」
優衣は慌てて入口にいる私のところまで来て頭を撫でてくれる。
「ゎたし…ぅっく…。」
「ちょっと、私について来て。」
優衣は私の手を引いて教室を出た。
「ここなら、ゆっくりと話しができるでしょ。」
優衣に連れてこられたここは屋上へと続く階段。
人気も無くとても静かで雨の降る音だけが聞こえてくる。
優衣に誘導され私たちは隣り合わせに座った。
雨の日のせいか少し床が冷んやりとしている。
「何があったの?」と私の頬にハンカチを当てながら優しく聞いてくれる優衣。
胸が苦しくて苦しくて耐えられず、私は今までの事を全て優衣に話した。
何度も大賀見賀が助けてくれた事、落ち込んでる時に優しく慰めてくれた事。
からかわれてキッチンでキスをされた事、白咲くんに付けられたキスマークに私が望んで上書きしてもらった事…。
滝沢くんに告白されて断った事、大賀見の事が好きだと自覚したとたんに突き放された事…………。
「滝沢くんに大事にしてもらえって…私に対して…ひっく……特別な気持ちは無いって事だよね……?ぅう…ひっく…。」
優しくされて心のどこかで期待してた。
ひょっとして、私達は両想いじゃないか?って……。
バカ過ぎるよね?
笑っちゃうよね?
泣かないと決めてこれまで生きてきたのに、止めようと思っても涙が止まらない。
頬に当てられているピンク色のハンカチが、どんどん涙で色が濃くなっていく。
優衣が私の頭に手をまわし引き寄せた。
コツンと私達の頭が合わさる。
「泣かないで…葵。大丈夫、大丈夫だよ。私は葵の隣にずっと居るょ。もう、絶対に離れない。」
優衣の言葉がすぅと心に入ってきて、私に安心感を与える。
優衣のこの言葉が、こんなにも心に沁みて安心感を与えるのはなぜ?
あぁ…
そっか…………
私、好きな人に離れて行かれるのが怖かったんだ…。
ただ大賀見と想いが通じ合わなかった事が悲しいのだと思ってた。
私のこの酷く不安な気持ちは、それだけじゃ無かったんだ。
また、ママがいなくなった時みたいに一人になるのが怖かったんだ…。
「ありがとう…優衣。大好きだよ。」
「私も葵のこと、大好きだよ。」
私達は顔を見合わせて笑った。
そのまま二人で朝のSHRをさぼって担任の小林くんにちょっぴり怒られた。
怒られてるのに優衣の顔が幸せそうで不思議に思ってたら、あとから実は優衣は小林くんの事が好きなのだと知った。
今日は朝から雨が降っていた。
私の心と同じ…
「お前…涼介に大事にしてもらえよ。」
昨日の言葉が頭の中でリフレインする。
どうして…あんな事を言ったの?
私の気持ちはどうなるの?
優しくするだけして………
私の心に入り込んできたくせに、急に突き放すようなこと言わないでよ。
こんなに好きにさせといて酷いよ…。
トボトボと元気なく教室まで向かう足取りはとても重い。
ガラ……
教室のドアを開けると優衣の笑顔が一番に目に入った。
「おはよっ、葵。」
いつもの優衣だ…。
「おはよ…ぅ…。」
優衣の笑顔に気が緩みポロリと涙が零れた。
「えっ、えっ⁈葵っどうしたの??」
優衣は慌てて入口にいる私のところまで来て頭を撫でてくれる。
「ゎたし…ぅっく…。」
「ちょっと、私について来て。」
優衣は私の手を引いて教室を出た。
「ここなら、ゆっくりと話しができるでしょ。」
優衣に連れてこられたここは屋上へと続く階段。
人気も無くとても静かで雨の降る音だけが聞こえてくる。
優衣に誘導され私たちは隣り合わせに座った。
雨の日のせいか少し床が冷んやりとしている。
「何があったの?」と私の頬にハンカチを当てながら優しく聞いてくれる優衣。
胸が苦しくて苦しくて耐えられず、私は今までの事を全て優衣に話した。
何度も大賀見賀が助けてくれた事、落ち込んでる時に優しく慰めてくれた事。
からかわれてキッチンでキスをされた事、白咲くんに付けられたキスマークに私が望んで上書きしてもらった事…。
滝沢くんに告白されて断った事、大賀見の事が好きだと自覚したとたんに突き放された事…………。
「滝沢くんに大事にしてもらえって…私に対して…ひっく……特別な気持ちは無いって事だよね……?ぅう…ひっく…。」
優しくされて心のどこかで期待してた。
ひょっとして、私達は両想いじゃないか?って……。
バカ過ぎるよね?
笑っちゃうよね?
泣かないと決めてこれまで生きてきたのに、止めようと思っても涙が止まらない。
頬に当てられているピンク色のハンカチが、どんどん涙で色が濃くなっていく。
優衣が私の頭に手をまわし引き寄せた。
コツンと私達の頭が合わさる。
「泣かないで…葵。大丈夫、大丈夫だよ。私は葵の隣にずっと居るょ。もう、絶対に離れない。」
優衣の言葉がすぅと心に入ってきて、私に安心感を与える。
優衣のこの言葉が、こんなにも心に沁みて安心感を与えるのはなぜ?
あぁ…
そっか…………
私、好きな人に離れて行かれるのが怖かったんだ…。
ただ大賀見と想いが通じ合わなかった事が悲しいのだと思ってた。
私のこの酷く不安な気持ちは、それだけじゃ無かったんだ。
また、ママがいなくなった時みたいに一人になるのが怖かったんだ…。
「ありがとう…優衣。大好きだよ。」
「私も葵のこと、大好きだよ。」
私達は顔を見合わせて笑った。
そのまま二人で朝のSHRをさぼって担任の小林くんにちょっぴり怒られた。
怒られてるのに優衣の顔が幸せそうで不思議に思ってたら、あとから実は優衣は小林くんの事が好きなのだと知った。