オオカミくんと子ブタちゃん
*****
たくさんの緑と色鮮やかな花達に囲まれて、私と大賀見は庭にある木の椅子に仲良く座る。
毎日が忙しくて、今までゆっくりと庭に出た事が無かった私…。
「本当に素敵なお庭だね。お天気もいいし気持ちいい〜。」
あまりの気持ち良さに自然と笑顔になる。
「ククッ…泣いたり笑ったり忙しいヤツだな。」
「う、うるさいなぁ///」
「そんなとこも可愛い。」
私の腰に腕を回して、ぐっと引き寄せた大賀見。
「な、なにっ言っ…「しっ…。」」
そっと私の唇に人差し指を当てた。
大賀見のサラサラの髪が陽の光に照らされキラキラとしている。
相変わらず綺麗だな…。
入学式の時に見た光景と重なる。
色素の薄い長めの前髪から覗く切れ長の目。
スッと通った鼻筋に薄い唇…
初めて会ったあの日の印象は最悪だったな。
ぶつかっても謝らないし…
そう言えば、キモいとか言われたよね?
嫌なやつって思ってたのに同じクラスで隣の席になるし、しかも同居することになるなんて。
上手くいくわけないって思ってた。
でも…
私の作るご飯を美味しそうに食べてくれたり、荷物を持ってくれたり…
絡んできた男の人から助けてくれたり、水を掛けられた時も好奇の目から守ってくれた。
オリエンテーションの時…
襲われそうになった私を助けてくれた。
弱っている時、いつも傍にいてくれた。
いつの間にか私の中で特別な存在になっていて…
「どうした?」
気がつけば、私の唇に当てられていた指が離され、大賀見が不思議そうに見つめていた。
「ううん、なんでもない。」
と言って私は大賀見の胸にもたれかかる。
こんなに安心して誰かに甘える日が来るなんて思っていなかったな。
やっと、自分の居場所を見つける事が出来たような気がする。
「…葵。」
私の名前を呼ぶ甘い声に、トクンッと心臓が跳ねた。
大賀見は私の身体をそっと離し立ち上がる。
そして、私の前に膝まずき左手をそっと持ち上げて薬指にキスをした。
「いつか絶対にこの指にリングをプレゼントします。
葵…俺と結婚してくれませんか?」
真剣な眼差しで私を見つめる大賀見。
本物の王子様みたいに綺麗でキラキラしていて…
「……はい///」
私はこれから先ずっと、このオオカミに魅了され続ける。
☆END☆
たくさんの緑と色鮮やかな花達に囲まれて、私と大賀見は庭にある木の椅子に仲良く座る。
毎日が忙しくて、今までゆっくりと庭に出た事が無かった私…。
「本当に素敵なお庭だね。お天気もいいし気持ちいい〜。」
あまりの気持ち良さに自然と笑顔になる。
「ククッ…泣いたり笑ったり忙しいヤツだな。」
「う、うるさいなぁ///」
「そんなとこも可愛い。」
私の腰に腕を回して、ぐっと引き寄せた大賀見。
「な、なにっ言っ…「しっ…。」」
そっと私の唇に人差し指を当てた。
大賀見のサラサラの髪が陽の光に照らされキラキラとしている。
相変わらず綺麗だな…。
入学式の時に見た光景と重なる。
色素の薄い長めの前髪から覗く切れ長の目。
スッと通った鼻筋に薄い唇…
初めて会ったあの日の印象は最悪だったな。
ぶつかっても謝らないし…
そう言えば、キモいとか言われたよね?
嫌なやつって思ってたのに同じクラスで隣の席になるし、しかも同居することになるなんて。
上手くいくわけないって思ってた。
でも…
私の作るご飯を美味しそうに食べてくれたり、荷物を持ってくれたり…
絡んできた男の人から助けてくれたり、水を掛けられた時も好奇の目から守ってくれた。
オリエンテーションの時…
襲われそうになった私を助けてくれた。
弱っている時、いつも傍にいてくれた。
いつの間にか私の中で特別な存在になっていて…
「どうした?」
気がつけば、私の唇に当てられていた指が離され、大賀見が不思議そうに見つめていた。
「ううん、なんでもない。」
と言って私は大賀見の胸にもたれかかる。
こんなに安心して誰かに甘える日が来るなんて思っていなかったな。
やっと、自分の居場所を見つける事が出来たような気がする。
「…葵。」
私の名前を呼ぶ甘い声に、トクンッと心臓が跳ねた。
大賀見は私の身体をそっと離し立ち上がる。
そして、私の前に膝まずき左手をそっと持ち上げて薬指にキスをした。
「いつか絶対にこの指にリングをプレゼントします。
葵…俺と結婚してくれませんか?」
真剣な眼差しで私を見つめる大賀見。
本物の王子様みたいに綺麗でキラキラしていて…
「……はい///」
私はこれから先ずっと、このオオカミに魅了され続ける。
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