川に流るる紅い毛の…
翌日、村人による会議が行われた。論議は絶望的な結果をもたらしてしまった。
時は無常にも流れ、狐は『幻想の都』のあの小川で溺死刑と判決が下された。
あの、清らかな川で…最期を終わらせることになるとは。意識が遠のくなり、自らが吐き出した泡は瞳にぶつかり視界を妨げる。お狐は最後の力で自らを抑えていた者の顔を見た。
葬式の時、お狐に話しかけてきた大柄な村人である。彼はとても微笑ましい笑顔だった。狐は違和感を覚え必死に抗おうとしたが、その願いは届かなかった…
小川には、紅い毛が流れていく。