呪いのメール
メール
まだ10月上旬だというのに、換気のために開け放たれた窓から入ってくる風は頬を指すように冷たい。エアコンを付けてくれない先生に文句を言う生徒の声に、冬の到来を感じた。
私は新宮高校の2年生、新宮美香。
苗字と学校の名前が一緒なのはただの偶然で、本当はこの学校とは何のつながりもない。
でも、私はこの学校が大好きだ。
親身になって指導してくれる、面白い先生たち。
優しいクラスメイト。
他のクラスの人のことは余りよく知らないけど、きっといい人ばかりに違いない。
もしくは、私のクラスにいい人ばかりが集まっているだけなのか。
そう思えるほどに、私のクラスは仲が良い。
そして、親友の井出ハルと、彼氏の城田翔。
ハルとは幼稚園の時からずっと一緒で、中学校2年生の冬にハルが一度転校したが、高校でまた一緒になるという、いわゆる腐れ縁って奴だ。
翔とは中学3年生の時付き合い始めた。当時、翔はいつも女子に囲まれているようなモテ男で、私もその取り巻きの一人だった。まさか付き合えるとは思わなかったし、ましてや高校まで一緒だとは考えても見なかった。
この二人が、私の高校生活には必要不可欠なのだ。