わかってるよ
みんなの輪の中でキラキラしてる花を見ないように過ごしていれば、時間は早く過ぎ去る。

キーンコーンカーンコーン

「花ちゃんまたねー」

「花ちゃんまた明日ー」

「みんなバイバイ、また明日！」

私もそろそろ帰ろうかな。

机の中から教科書を出してかばんに詰めていく。

ガシャ

「あっ！「はい！」」

え...？悠？

「あ、ありがと。」

「早く帰ろ、準備して待っててっていつも言ってるでしょ〜。」

「ご、ごめん。」

びっくりした。

てっきり花のところにいると思ってた。

慧はA組で悠はC組だから、真ん中のB組である私たちのクラスにいつも迎えに来てくれる。

悠が花より先に私に話しかけるなんて。

「...っ！」

なにか視線を感じた。

ふと顔をあげると、悠が私のことを見てる。

「準備できたよ？」

準備するの遅かったかな。

なにか言いたそうな顔でこっちを見ていると思うのだけれど。

「じゃあ、行こっか。花、慧、帰るぞ。」

何でもないような顔に戻り、そう言って花と慧の方へ近づいていった。

勘違いかな。

そう思って私も３人の後ろ姿を追いかけた。

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