わかってるよ
「...よしっ!」
リボンも曲がってない。
スカートの丈は・・・
「もうちょっと上げても大丈夫かな。」
これでよし。
「柚、はいるよ?」
「う、うん。どうしたの?花。」
「わ!似合う、似合うね制服!」
「ありがと。花も素敵だね、その制服。」
「そう?ありがと。でも、もうちょっとスカート短くていいと思わない?ふふ、朝ごはん、さきいってるね?」
そう、花と私は違う高校に進学する。
花はこの辺でも名高い、清楚で可憐なお嬢様というイメージのある聖蓮女学園に進学する。
私は、この地区の進学校である、魁星高校に進学する。
双子なのに、なんで一緒の高校じゃないの?
たくさんの人にそう言われ、親にまでそう言われた。
私も花と一緒に魁星高校に行くと思ってた。
だけど突然、花が志望校をかえた。
「わたし、聖蓮女学園に行きたい。」
そう言われた時、
柚とは同じ学校に行きたくない。
そう言われたような気がして、思わず涙が頬を伝った。
「柚、泣かないで。私が距離を置きたいのは柚じゃないよ。ごめんね。」
頷くことしか出来なかった。
今考えると、柚は誰と距離を置きたかったのだろう。
それも聞けないまま、入学の日になってしまった。
そんな事考えてたら、お茶碗によそったご飯が空っぽになっていて、花に笑われてしまった。
けらけらと可愛く笑っている花を見つめながら、ちょっと昔のことを思い出した。
「痛っ!!」
「柚?!大丈夫?!柚!!」
「だ、大丈夫。柚は強いよ、花より、悠より、慧より強いよ。だから花、泣かないで。ほら、泣かないで。」
「柚!大丈夫か?!」
「柚!?こけたのか?!」
「大丈夫大丈夫!慧も悠も心配しすぎだよ〜。ほら、遊ぼ!」
「柚!大丈夫なわけあるかよ!俺が家まで連れてってやるから。お母さんに手当てしてもらおう?」
「あ!僕も行く!花は先に行って公園で待ってて?じゃあ行こう!柚立てる?」
「うん。ありがと。」
「わかった!私、先に公園行ってるね!」
花は小さい頃から、ずっとにこにこしてたね。
お父さんにもお母さんにもおじいちゃんにもおばあちゃんにも、
「花ちゃんが笑うと可愛いお花が咲いたみたいね。」
なんて言われてた。
周りの大人達も花の笑顔を可愛いねってたくさん褒めた。
花が笑顔で褒められてるのがすごく羨ましくて、1人で鏡に向かって笑顔の練習してた気がする。
いつだって私は、花が大好きで憧れだった。
今も。いろんな意味で。そうだけど。
あれ...?
あの後、慧と悠は公園に行ったんだっけ?
花は公園でどれくらい待ってたんだろう。
私は、
私はあの後、家に帰ってどうしてたんだっけ?
思い出せないなぁ。
「...ず!柚!」
「はい!えっと?」
「柚、ぼーっとし過ぎ。私もう行くけど柚は?」
「私も行く!待って!」
「早くしてねー。」
急いで準備をして、前髪を直しながら玄関の扉を開けた。
「花...?」
「え!?あ、ううん。行こ!駅まで一緒だよね。」
「あ、うん。」
いつも笑顔の花が、怖い顔して外に立ってた。
どうしたんだろう。
どこ、見てたのかな?
「柚、バイバイ!」
「うん、バイバイ。」
気のせいかな...。
リボンも曲がってない。
スカートの丈は・・・
「もうちょっと上げても大丈夫かな。」
これでよし。
「柚、はいるよ?」
「う、うん。どうしたの?花。」
「わ!似合う、似合うね制服!」
「ありがと。花も素敵だね、その制服。」
「そう?ありがと。でも、もうちょっとスカート短くていいと思わない?ふふ、朝ごはん、さきいってるね?」
そう、花と私は違う高校に進学する。
花はこの辺でも名高い、清楚で可憐なお嬢様というイメージのある聖蓮女学園に進学する。
私は、この地区の進学校である、魁星高校に進学する。
双子なのに、なんで一緒の高校じゃないの?
たくさんの人にそう言われ、親にまでそう言われた。
私も花と一緒に魁星高校に行くと思ってた。
だけど突然、花が志望校をかえた。
「わたし、聖蓮女学園に行きたい。」
そう言われた時、
柚とは同じ学校に行きたくない。
そう言われたような気がして、思わず涙が頬を伝った。
「柚、泣かないで。私が距離を置きたいのは柚じゃないよ。ごめんね。」
頷くことしか出来なかった。
今考えると、柚は誰と距離を置きたかったのだろう。
それも聞けないまま、入学の日になってしまった。
そんな事考えてたら、お茶碗によそったご飯が空っぽになっていて、花に笑われてしまった。
けらけらと可愛く笑っている花を見つめながら、ちょっと昔のことを思い出した。
「痛っ!!」
「柚?!大丈夫?!柚!!」
「だ、大丈夫。柚は強いよ、花より、悠より、慧より強いよ。だから花、泣かないで。ほら、泣かないで。」
「柚!大丈夫か?!」
「柚!?こけたのか?!」
「大丈夫大丈夫!慧も悠も心配しすぎだよ〜。ほら、遊ぼ!」
「柚!大丈夫なわけあるかよ!俺が家まで連れてってやるから。お母さんに手当てしてもらおう?」
「あ!僕も行く!花は先に行って公園で待ってて?じゃあ行こう!柚立てる?」
「うん。ありがと。」
「わかった!私、先に公園行ってるね!」
花は小さい頃から、ずっとにこにこしてたね。
お父さんにもお母さんにもおじいちゃんにもおばあちゃんにも、
「花ちゃんが笑うと可愛いお花が咲いたみたいね。」
なんて言われてた。
周りの大人達も花の笑顔を可愛いねってたくさん褒めた。
花が笑顔で褒められてるのがすごく羨ましくて、1人で鏡に向かって笑顔の練習してた気がする。
いつだって私は、花が大好きで憧れだった。
今も。いろんな意味で。そうだけど。
あれ...?
あの後、慧と悠は公園に行ったんだっけ?
花は公園でどれくらい待ってたんだろう。
私は、
私はあの後、家に帰ってどうしてたんだっけ?
思い出せないなぁ。
「...ず!柚!」
「はい!えっと?」
「柚、ぼーっとし過ぎ。私もう行くけど柚は?」
「私も行く!待って!」
「早くしてねー。」
急いで準備をして、前髪を直しながら玄関の扉を開けた。
「花...?」
「え!?あ、ううん。行こ!駅まで一緒だよね。」
「あ、うん。」
いつも笑顔の花が、怖い顔して外に立ってた。
どうしたんだろう。
どこ、見てたのかな?
「柚、バイバイ!」
「うん、バイバイ。」
気のせいかな...。