俺と僕と私が恋する日



靴やカバンが無くなるときは
決まって
私から見えない
高い場所に隠されている。



古典的だし
幼稚なイタズラだけど
地味に傷つく。



きっと
こんなことになった原因はアイツ。



アイツは背が高くて
顔もカッコよくて
かなりモテる。



もっ、もちろんっ!!
私はタイプじゃないけどねっ!!!



性格も明るいし
学校では目立つ存在だから
アイツを好きという子も
たくさんいる。



そんなアイツが
私にちょっかいを出しているのを
良く思わない子が
きっといるんだろうなぁ…。



「どうしたの?なんか悩み事?」



「…うわっ!えっ、あっ、いや、なんでもないよっ!」



ボーっと考えながら歩いていると
大好きな彼が声をかけてきた。



「そう?ならよかった!もし、悩んでることがあったら僕がいつでも話聞くからね!」



「うんっ。ありがとう!」



本当にいつも優しいなぁー…。



でも、彼にだけは
こんなこと絶対に知られたくない!!



どうにかして
私一人でなんとかしなきゃ!



よしっ!!!
そのために
まずはアイツと
関わらないようにしよう。



題して!!
アイツを空気だと思って
スルーしよう作戦!!笑




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