俺と僕と私が恋する日



職員室にノートを届けると
ついでにと
担任に資料室の片付けを頼まれた。



暗い資料室に彼と二人きり。



何、この幸せな状況は…?!



もう、心臓が口から
出ちゃいそうだよーっ!!



そんなことを考えながら
脚立に上り
資料の入ったファイルを
整理していると…



ーガタンっ!!



「きゃっ、きゃあ〜っ!!」



見事にバランスを崩し
脚立ごと倒れた。



お、落ちるぅ〜!!!

…と思った瞬間
フワっと体が宙に浮いた。



「っと、危なかったー!よかった間に合って。ケガしてない?」



彼にガッチリと
お姫様抱っこで
キャッチされていた。



「…っ!?だ、だい、大丈夫っ!!ごめんねっ!私重かったよね!?」



「何言ってるの。すごく軽いよー。ほら、このままこーんな風に回れちゃいそうだよーって….うわぁっ!!」



ーバタンっ!!!



今度は
お姫様抱っこしながら
ふざけて回ろうとした
彼が足を滑らせて
そのまま二人で
倒れこんでしまった。



「ごっごめんっ!!!!」



彼の上に思い切り乗ってしまい
慌てて彼の上から
降りようとすると…



「待って!…少しだけ…このままでいてくれないかな…?」



私はそのまま彼に
ぎゅっと抱きしめられてしまった。



「…えっ!?」



「…っうわ!!…って、僕何してるんだろっ!!ご、ごめん…。僕まで転んじゃってっ。だ、大丈夫?ケガしてない?」



彼は急に我に返ったように
手を緩めて私を起こした。



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