笑顔のチカラ~笑う門には福来る~


「先生、治療の前にやっておかなきゃいけないことが1つだけあるんだ」


「なんだい?」


「全国大会。水曜日から広島であるんだ。
それまで出たいんですけど…」


あっ、そうだった。

でも・・・


「勇生くん、気持ちはわかるけど、それは難しいよ。
なるべく早く対処しておかないと、危険な状態になってからじゃ・・・」


「でも、海斗との約束なんだ。
試合が終わったらちゃんと治療する。
どんな強い薬になってもいい・・・」



お兄ちゃん、今、すごく本気の瞳をしてる。


私がしてあげられること、それは1つしかないよね。



「お兄ちゃんが無理しないように、私もしっかりサポートします。
私からもお願いします」


今まで練習できなかった3ヶ月を取り戻すように、毎日夜も遅くまで練習してきたこと、よくわかってる。


この日のために、海斗くんとの約束を果たすために頑張ってきたこと、よくわかってるよ。


だから・・・


「お願いします」


私も一緒に、頭を下げるよ。



「勇生くん、いい妹さんをもって幸せだね」


「はい!」


「笑美ちゃん、勇生くんのことは全てキミに任せるよ。危ないときの対応も、全部任せるから」


「はい・・・!」


「ありがとうございます!」


よかったね、お兄ちゃん。


4日後に控えた全国大会。



お兄ちゃんのサポート、全力で頑張ります!

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