笑顔のチカラ~笑う門には福来る~
「笑美……!」
「あっ……!」
気がつけばドアを開けていて。
伯母さんと先生が驚いた顔をしてこっちを見ていた。
でも、そんなことより……
「伯母さん、お兄ちゃん、白血病なの?」
「…………」
何で何も言わないかな…
「ウソだよね……うん。絶対ウソ!
ねっ?伯母さん。先生…?」
先生は……医師は首を縦に振ってくれなかった。
何でよ……
何でお兄ちゃんなの…?
あんなに優しいのに……
あんなに強いのに……
私の頭の中はごちゃごちゃだ。
何を一番に考えればいいの……?
「私、お兄ちゃんのところに戻るね」
気まずそうな伯母さんと先生の視線を背中に感じて、私は部屋から出た。
そして少しだけ、外に頭を冷やしに行った。
風が、熱くなった私の心を優しく撫でてくれてる感じ。
何を一番に考えればいいか……
そんなのただ一つ。
お兄ちゃんを守るんだ。
お兄ちゃんの心を。
お兄ちゃんの笑顔を守るの。
笑顔を失ってしまったら、きっと何もかも失ってしまう。
私がこんな気持ちじゃダメだよね。
「よーし。笑顔笑顔!」
にーっ、と思いっきり笑ったら少しだけすっきりした。