笑顔のチカラ~笑う門には福来る~
────数日後─────
試合のあとから、目が覚めるまでの記憶がないオレは、笑美の適格な処置のおかげで大事には至らなかった。
広島の病院で点滴を打ってもらってから、笑美の判断で強制的に病院に帰された。
2回戦は運悪く、昨年全国優勝した京都のチームだったらしい。
結果は、1対6 で負け。
「やっぱり、お前がいないとダメだわ」
こっちに戻ってきて見舞いに来た大樹がはにかんで言った。
「2点決めて勝ったんだから、病気にも勝とうね」
笑美もたしなめるようにそう言った。
「うん、大丈夫だよ」
もう、これからは治療に専念するからさ。
「大逆転ゴールを決めてみせるから!」