笑顔のチカラ~笑う門には福来る~

P.M. 3:00


2時間ようやく寝れたのに、また吐き気に起こされた。


笑美はどこに行ったのか、今はここにいない。


改めて感じるよ。


笑美が隣にいて、背中をさすってくれる心強さを。


1人でいるときって、こんなに不安だったかな。


でも何で、笑美がいると安心できるんだろう。


妹だから?


いや、そうじゃない。


「あっ、お兄ちゃん起きた?」


あ・・・


笑美の“えがお”だ。


どんなに苦しいときも、笑美の笑顔がいつもそばにあった。



「あ、吐いちゃった?ごめんね、苦しかったね…
売店のおばさんと話してたらすっかり遅くなっちゃった」


ホントにあのおばさん話好きだよね~


なんて言いながら、心配そうにオレの顔を覗き込んだあと、またすぐに笑顔になった。


「なぁ笑美。
どうしてお前はいつも笑っていられるんだ?」


「どうしたのいきなり?」

笑美は驚きながら笑った。

「なんか、聞いてみたくなったから」


「んー、そうだな・・・私のモットーかな。
笑顔でいるとね、どんなに辛いことがあっても、それを乗り越えることができるんだ。
ほら、“笑う門には福来る”って言うでしょ?
だから、いつか福がくることを信じて」



笑美・・・


お前には、教えてもらうことばかりだな。



笑う門には福来る・・・か。

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