笑顔のチカラ~笑う門には福来る~


今日は出校日。


お兄ちゃんの病状とかを、お兄ちゃんの担任の谷松先生に話しに行ったの。


再発してしまったことを伝えたら

可哀想に・・・だって。


お兄ちゃんって、可哀想なのかな?


たしかに白血病って重い病気だし、それが再発したなんて普通は考えられないことだよ。



でもお兄ちゃんは今、一生懸命闘ってるの。


苦しい思いを我慢しながら、頑張って治療しているの。


可哀想って思うな!

って言ってるわけじゃないけど、まだ諦めてない。


だから、可哀想・・・って思うんじゃなくて、頑張れ!って励ます言葉をかけてほしかったな。



「え~み!一緒に帰ろ!」


「加奈・・・」


加奈なら、私の気持ちわかってくれる・・・?


「どうしたの?元気ないね」


「加奈、あのね・・・
お兄ちゃん、白血病が再発しちゃったんだぁ」


加奈が、口元を押さえて固まった。


「でね、それを谷松先生に話しに行ったの。
そしたら・・・」


いけないってわかってるのに、堪えきれなくなった涙がこぼれ落ちた。


「可哀想に・・・だって。
可哀想って、もうお兄ちゃんのことを諦めてるように聞こえたの。
まだ、お兄ちゃん・・・っ、頑張っ・・・てるのにだよ!?」


「笑美・・・」


加奈が、泣きじゃくる私をしっかり抱きしめてくれた。


「大丈夫だよ。お兄さんは強いんでしょ?
笑美、あんたしかお兄さんを元気にできないの。
先生がなんて言おうと、笑美が信じていれば大丈夫」


「・・・っ・・・加奈~!」


そうだよね。


私が信じないとダメだよね?


「も~泣かないの。
笑美は笑顔が一番なんだからね!」


「あ、りがと~」


やっぱり加奈は頼りになる。

心にあったモヤモヤが、加奈の言葉でスっと消えた気がした。

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