笑顔のチカラ~笑う門には福来る~


「お兄ちゃん遅くなってごめん・・・優人くん!?」


「よっ!」


「な~んだ。2人はもう会ってたんだ。
私もさっき紫乃ちゃんに会ったよ!」


3人でわいわい話していると


「笑美ちゃん、優人が・・・いた!」


「おぉ、4人そろったな♪」


最後に会ったのは、1回目の入院をする1週間前。


実はこのときから、お兄ちゃんの身体はサインを出してたんだ。


優人くんとサッカーしていたら、めまいをおこして倒れたの。


よくお医者さんが白血病のことを遠回しに

“再生不良性貧血”

って言ったりするから、白血病=貧血ってなるらしい。



「そういえば、なんで優人は入院することになったんだ?」


あれ?


お兄ちゃん、知らなかったんだ。


「白血病なんだって」


ゆ、優人くん!?

そんなにあっさり・・・



「お前、よく平然としていられるな?」


お兄ちゃん、それをすぐつっこむか!?



「だって、なっちゃったんだからしょうがないじゃん。
なっちゃったんだから、それをぐだぐだ言ってる暇があったら、早く治療して治そうって思ったんだ」


「ちょっと優人。
2人にそんな偉そうな口利かないの!
そんなこと言わなくたって、勇生くんの方がちゃんとわかってるわよ」


「いや・・・そうだよな。
なっちゃったもんはしょうがないよな。
強いな、優人」


そう言って、優人くんの頭を撫でるお兄ちゃん。


お兄ちゃん、大切なことを気づかせてもらったね。


前向きに考えることが一番いいよ!

< 167 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop