笑顔のチカラ~笑う門には福来る~


─────次の日───


昨日、オレが倒れたのを知っているクラスメイトはみんなびっくりしていた。



「オレ、白血病なんだって。
だから、明日から入院して治療することになりました」


終礼の時間を貰って、みんなに全てを話した。


「きっと、すごくキツい治療になるんだろうな・・・
でも、修学旅行までには元気になって帰ってくるよ。
だから、だからさ・・・」



チクショー。なんで涙なんか。


泣かないって決めてたのに・・・


このときのオレの頭の中は、死への恐怖で覆い尽くされていた。


もう二度と、みんなに会えなかったら・・・


もう二度と、この世界に帰ってこられなかったら・・・


もう二度と・・・





「頑張れ!」


大樹だった。



静まり返った教室の後ろから、オレに向かって1人、笑いかけている。



やっぱりあいつはオレのことをよくわかってる。


大樹のおかけで、ちゃんと言うことができた。


「オレを信じて、待っていてください!」


ありがとな、大樹。

さすがオレの幼なじみだ。



「勇生、みんな、みーんな知ってるよ」


学級委員の冬木るなが少し目を赤らめてオレの前に来た。


今朝、担任の先生から少しだけ話を聞いたらしい。

オレはまた具合が悪くなって保健室いたから。


「それじゃあ、クラスから寄せ書きと花束を贈ります。
勇生、あたしたちはずっと信じてる。
絶対に元気になって帰ってきてね!」


「おう、ありがとな」


オレ、励まされてばかりだな。


絶対に治してみせる・・・


白血病なんかに負けるもんか!

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