笑顔のチカラ~笑う門には福来る~
────土曜日─
いよいよ今日から入院して。
1週間後に治療が開始される。
「あった!お兄ちゃんの部屋」
「笑美、ちょっと待って、伯母さん疲れた・・・」
オレたちはなぜか、階段で3階まで上がっていた。
伯母さんもそろそろ50歳だし、そりゃあ疲れるよな。
オレの病室は2人部屋。
でも今は誰もいないから、笑美が一緒にいてくれる。
「春野勇生くんと笑美ちゃんね?
はじめまして。
担当の水木 夕南(みずき ゆうな)です。
今から先生のところへ行きましょう」
「はい。よろしくお願いします!」
うわぁ・・・めっちゃ美人!
この人が担当でよかった!
「もしもーし、お兄さーん。
顔がニヤけてますよー」
「えっ、あっ・・・あははは」
笑美にはオレが考えていることは全てお見通しで、白い目で見られた。
それにしても、拗ねてる笑美がおもしろい。
本当にこいつ、オレのこと好きだな。
親バカならぬ兄バカだな、オレも。
「もうっ!笑ってないで早く先生のところに行くよ!」
「はいはーい」