笑顔のチカラ~笑う門には福来る~
部屋に帰ってベッドに腰を下ろすと、笑美がお茶をくれて静かに言った。
「無理しなくていいよ。
これから頑張るのはお兄ちゃんだもん。
無理に自分の感情を抑え込まないで?」
そう言って、オレの手をそっと握ってくれた。
笑美・・・
お前には甘えてもいいかな。
オレ、ガキだから、しばらく肩を貸してくれよ。
「オレ、怖いんだ。
母さんだって、抗がん剤をたくさん使ったけど結局ダメだった・・・
薬を使っても、どんなに頑張ろうって思っても、よくならないこともあるんだ・・・
笑美、オレ・・・死にたくないよ・・・」
今まで、死ぬことなんて考えたことなかった。
これから普通に大人になって、普通に恋をして、普通に生きていくと思ってた。
それなのに・・・
オレ、死ぬの?
この世から消えてしまうのか?
何でだよ・・・
まだやりたいことはいっぱいあるよ。
神様は不公平だ。
まだ14年しか生きてないのにさ。
何でオレなんだよ・・・