笑顔のチカラ~笑う門には福来る~
大きなスクリーンにお兄ちゃんの写真がスライドで映し出されてる。
小学校の写真……
サッカーをしている写真……
誕生日パーティーの写真……
「大樹が全部用意したのよ。
さすが、幼なじみね」
大樹くんが……?
彼の方を振り向くと、こっちを見てピースサイン。
終わりに近づいたとき、1枚の写真に目が留まった。
「これ、何で・・・?」
私はお兄ちゃんからもらったワンピースを着て、お兄ちゃんは私があげたニット帽をかぶって一緒に写ってる写真。
一緒に撮ってないのに・・・
「これ、勇生から笑美ちゃんへのプレゼントだって。
あいつ、オレがいなくなったらこれを笑美に渡してくれって言ってたんだ」
そう言って、大樹くんが写真をくれた。
お兄ちゃん、誕生日のあとは体調が悪い日ばかりだったのに・・・
「……っ」
あの日から涙もろくなった私を、るなさんの温かい手が包んだ。
「笑美ちゃん、まだ泣くのは早いわよ」
「え…?」
るなさんの言葉に顔を上げると、信じられない光景が目の前にあった。