笑顔のチカラ~笑う門には福来る~
お兄ちゃんがシャワーを浴びている間に、ベッドのシーツとパジャマを新しい物に取り替えた。
苦しいねお兄ちゃん。
血が混ざるくらい戻してばかりで、すごく苦しいよね・・・
私、見ているだけしかできないなんて・・・
バタンッ!
「お兄ちゃん!?」
「・・・っ!ごめん、ちょっとふらついた」
あんなに元気に走り回ってたのに・・・
「お兄ちゃん、着替えたらそこ座って?」
「えっ?でも、髪が・・・」
「私が乾かすよ」
小さいときみたいに、私が乾かしたいんだ。
サラサラしている茶色がかった髪・・・
昔から好きだったな。
「笑美、上手くなったな!」
ドライヤーに負けないくらいに声を張って、お兄ちゃんが言った。
「でしょ!」
負けじと私も応える。
「昔はよく頭にぶつけられたな~」
「仕方ないじゃん!まだ5歳だったんだよ!?」
そんなふざけた会話をしている間も髪が抜けちゃって、涙を堪えるのが大変だった。