笑顔のチカラ~笑う門には福来る~


「・・・・・・で?
何でお兄ちゃんはこんなところにいるのかな?」


3人と別れ、さっきまで笑っていた笑美から、笑顔が消えた。


「いや・・・ちょっと気分転換に」


「ボール蹴ってたって?」

「あー、あはは…」



「何で倒れてたの?」

「えっと・・・なんとなく・・・?」


「何となくで倒れる人なんて、見たことも聞いたこともないんですけど!
ケガしたらどうすんの?
薬の副作用のこと忘れたの!?
あの子たちがいなかったらどうするつもりだったのよ!」


車イスを押しながら、笑美はずーっとオレに説教してた。


まぁ、笑美がここまで言うのも当たり前か。


血液の流れをよくする薬を使ってるから、ケガしたら大変なことになるもんな。


・・・って、ちょっと待てよ・・・


「あの~」


「何!」


おぉ、怖っ!


でも、オレも言いたいことがあるんだよ。


「笑美さんは、なぜここにいるのでしょう?」


本当ならここにいるはずないよな?


そんな急に回復するとは思えない。


よし。


じゃあ今度は、オレが説教してやるよ。


「私はもう元気だよ?で、これ・・・」


「ん?」

ケロッとした顔で元気と言った笑美に手渡されたのは、分厚い封筒だった。


どうやらオレは、説教しなくていいらしいな。


「アルバム見てたら出てきたの」


母さんの写真がたくさんあった。


母さんも、こんなに苦しい思いをしたんだよな。


でも・・・




「お兄ちゃん、これも読んで」


これは・・・


母さん、こんなものを・・・


「お母さん、こんなときまで私たちのことを気にかけてくれてたんだね」


読みながら、頑張って堪えていたのに・・・

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