癒えない傷
次の日
「あ!千尋大丈夫だった?」
普段仲良くしない子も
こういう時に限って話しかけてくる。
「う…うん!ありがと~」
軽く受け流す。
「おっす!!」
みんなが騒がしくなった。
「おっはよー裕!!」
あたしはその名前に敏感になっていた。
「おっす!」
風原がこっちに向かってくる。
なんで…?
あたし…ドキドキしてる。
ダメ。あの人が
本当にあたしの中から消えちゃう。
あたしは知らない間
教室から飛び出していた。
頬に伝う雫
なんであたし泣いてるの…?
つらい事なんか……ないじゃない。
その瞬間誰かがあたしの手を掴んだ。
「お前…どうしたんだよ…」
振り向くと風原だった
「なんで…来んのよ」
「お前…泣いてんじゃん」
その瞬間
風原に抱きつかれた
「え…?かざ…はら?」
「何があったんだよ。」
ダメ…恋なんてしない。
「離して!!」
あたしは風原の手から抜け出すと一気に走ってた
今日はもう 学校行きたくないよ。