癒えない傷


あたしは決まってこんな時


ここにくる。


それと同時にまだ
啓を忘れられていないことを

物語っている。

ここは1-3の教室。


じつは今年から
新しい校舎が建ち

ここは旧校舎になっている。


啓と初めて話した場所

あたしのファーストキス…



あの日のあの場所に立つ



まだ啓がいるようで。




すると足音が聞こえる

2人くらいかな…



「千尋…?」
声が聞こえた

振り向くとドアに裕菜がいた。

「裕菜…」


「あんたに謝りたいんだって」


すると現れたのは

「風原…」


「さっきは…ごめんな…」



「だ…大丈夫…」

すると…「おーい…」


遅れて走ってきた健太が
息をきらして教室の前に来た

「お前ら早ぇ…

あ 千尋ちゃん!?」


「三重くんまで!?
なんで3人も…」


何故か3人共顔を見合わせて
笑っていた。


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