癒えない傷

仲直り

学校までの帰り道。
(旧校舎と学校は少し遠い)
「あ!そういえば!なんでさっき笑ってたの? みんな」

「ま いーじゃない!
仲直りしたんだし!」

いきなり話題を変えた裕菜。

なんか気になる…;;


「ってか仲直りって言うのかよ…」
と言い出す風原。
三重くんが
「ま 簡単に言えばそうなんじゃね?
祐うれしそー♪」

「うわ うぜー!まじうぜーお前!!」

じゃれ合う二人。

なんかいつの間にか仲良くなってない?

「あいつら仲良いねー」

裕菜が声をかけてきた。


「あいつらどうしたの?」
気になる事を聞いた。
「さぁね!!」


誤魔化してる。

妹の直感。


「千尋…」

「なに?」

裕菜はいきなり
かしこまった。

「あたしさ…

彼氏…いたんだ…」


「え!?」

驚いた。

何にも聞いてなかったから…


「ごめん…言い出せなくて…

7時とかに帰って来た日…

あったじゃない?


あの日… フラレたのよ…」


「………」


あたしは
なんて声をかければいいか分からなくて

無理に聞き出すわけでもなく


裕菜の手を握っていた。


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