癒えない傷
「もう!」
あたしは今 部屋に居る。
「何なのよ…
“好き”なんて言葉…
軽い気持ちで言っちゃいけないの…」
泣いていた。
あたしには辛い過去があった。
まだ1年になりたてのあたしは
初恋をした。
長谷部 啓(ハセベ ケイ)
彼は…
あたしの初彼。
1学年上の
モテモテだった先輩。
周りの子みたいに
あたしも惹かれていった。
夏休み。初日
初日から忘れ物をしたあたしは
1-3…あたしの教室に取りにいった。
「最低…」
1-1の前に行った時
聞こえた
間違いなく あたしの教室から
その時 教室から
女子が飛び出して
あたしを見ると
走り去った。
あたしは…
誰だかなんか すぐに分かった。
橋本 椿先生
あたしと同じ年に転任してきた新米先生。
歳は24らしい。
あたしは呆然としていた。
大体の状況は把握できる。
きっと中には誰かがいる。
あたしは取りに行かなければならない
仕方なく教室に近づいていった。