癒えない傷
ー裕菜sideー
「ねぇ 裕菜。」
「なに?」
あたしは今保健室にいる。
「あんた…なんかあったの?」
保健の先生であり
あたしのいとこ
楓が言ってきた。
「べつに…ないけど?」
「そう…ならいいけど…
あんたが何もないのに一人で休み時間過ごすなんて珍しくない?」
楓とは最近会えていなかったけどやっぱりすぐ分かってしまうものなのだと分かった。
「楓が知らないだけよ」
もちろんあたしは嘘をつく。
「ふーん…」
ガラガラ…
ドアが開いた。
「あ!裕菜。」