癒えない傷



開けっぱなしのドア



そこに手を触れた


ドアがあって状況は分からない

泣き声が聞こえた。


「椿…」

男の声。


あたしはゆっくり
ドアの横から顔を出した。


「…!」


「は…長谷部先輩?」

大好きな長谷部先輩がいた。


彼は机の足下で
うずくまって泣いていた。


長谷部先輩は顔を上げた


「お前…1年か。」


「はい…」


「聞いてたか」


「え…?」

「今の話し」

「“最低”しか…」

「本当か?」


「はい…」


「お前…
俺の女になれ。」


「え…?
え…あ…あの「お前いつも俺見てるだろ?他の女子と」


「……はい…」

「なら話しは早い
なれ。」


「え…あの…」


長谷部先輩は近づいて抱きついた

「好きだ」


混乱しているあたし。


だって…椿先生は…?



好き…?


信じられないよ。


「あ…あの…「聞くなよ……

今のこと」


「ん…」


これがファーストキス。


あたしは気づいてた
先輩はあたしを

好きなんかじゃないって。


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