癒えない傷


「あ 祐だ」

しばらくの沈黙の後 聞こえた。


あたしは健太が見ている渡り廊下を見てみた。



「祐…だ…」


でも……



いつもの明るさも
全てが失われた感じで
目の輝きは無くなりそう。


祐……?



祐……?






祐……



苦しまないで…



一人で苦しまないでよ…祐…





自然と溢れた涙が頬を伝い



床に落ちてゆく雫となる。




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